2017年4月21日金曜日

無職日記 3



職場に通うという事がなくなると、ぽっかりと時間が出来て自分の感情に向き合わざるを得ない。不安な気持ちに襲われると、意識的に散歩に出る。今住んでいる家にはもう八年くらい住んでいて、移動したいと思いながらも他に行きたい場所も浮かばず留まり続けているが、この辺りには所々に変な空き地があって、そういう所は気に入っている。

絵を描こうとするんだけど手が止まるんです、という話をした事がある。絵を描こうとする自分がいて、そうすると私の中のもうひとりの人が、本当にそれでいいのか?と割り込んで来て、手を止めるんだ、という話をした時に、あなたの中にはもうひとりどころではない、何人か居ますね、と言われた事がある。それはその人達が何を言っているのか良く聞いて、理解しないと先へは進めないと。私が無職のときに感じる不安はこの辺りから来ている気が、最近している。

焦って不安になって、仕事を探している時に、何を焦ってるんだろうとふっと思ったのは、前回の無職のときだった。どうしてお金がなくなるからという理由で、したくもない仕事に飛びつく必要があるのだろうと、ふっと思った。それは私がしたい事なのか、母がしたい事なのか、社会がしたい事なのか。何が私を急かしているのか。考える軸の位置と時間の進み方が、わからない何かから私の方へと、少し移って来たように思った。

私の無職は私のものだ。誰にも渡したくない。



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